米国での生活の立ち上げ(カリフォルニア州バークレー市周辺用)

■日本語の電話帳の入手

これには、あらゆる情報が載っています。電話開設のための情報、保険業者、自動車の筆記試験問題、観光場所など。ですから、どうにかしてこれを入手する必要があります。

我々の場合、SSINNのおかげて、ついたその日に入手しました。したがって、どこで入手するのかも不明です。この電話帳で助かった事項は計り知れません。


■住居の決定

いろいろな物件を見て決める必要があります。しかし、バークレー周辺は、住居者が多く、家賃が東京並みに高いため、いい物件がすぐ見つかる保障はありません。UCBで勤務する場合、大学が斡旋してくれたり、I-HOUSEという外国人訪問者のための施設がキャンパス内であるので、そこに滞在することもできます。

我々の場合SSINNの斡旋により、バークレー市より2市離れたエル・セリート市(El Cerrito)のアパートにしました。ここは、BARTの駅から歩いて10分、歩いていける距離にSafeWayという大型スーパー、隣にDMV(運転免許試験場)があるという、我々のような短期滞在者にとってみれば絶好のポイントに位置するアパートです。150ぐらい部屋がありますが、推定では40以上が日本人のUCB訪問者が使っているようなところですので、余り日本とかわらない生活を送ることができました。


■ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)

留学に関する本やサイトを調べても、最初に行うことはソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)の取得だと書いてあると思います。SSNは、米国における年金を管理するための個人に与えられる番号ですが、米国ではこれは身分保障用の番号になっており、銀行アカウントの開設、運転免許試験の申請など、あらゆる生活立ち上げに必要な申請における、個人同定の番号になっています。

SSNが必要なことに間違いはないのですが、取得するのに約1ヶ月かかります。取得には、最寄のソーシャル・セキュリティ・オフィスまで行きます。このオフィスの場所の情報は、だれかに聞くとか、WWWページから検索するとかしないと分かりません。我々は先述のSSINNを利用していたので、オーナーから場所の説明(と車での案内)をしてもらっているので、困りませんでした。

さらに悪いことにカリフォルニア州では、州知事のシュワルツネッガーが、短期滞在の外国人にあたえないような法律をつくろうとしている(た?)ため、そもそも取得できなくなるかもしれません。なお、J-1の妻であるJ-2ビザ所有者には、最初からSSNは与えられません。これも最近そうなったようです。


■電話・インターネットの開設

SSNの次に重要なのは、電話番号の取得です。これがないと、電気・ガス、銀行口座などが開設できません。

電話の開設には、SBC(いまはAT&T)に電話して申し込みます。電話もないのにどうするのかというと、公衆電話か日本から持ち込んだ携帯電話などでするしかないでしょう。我々は、SSINNから電話しました。

なお、SBCには日本語サービスがあります。日本語でオペレータと話せるので、これを利用すれば問題ありません。当時にインターネット(ADSL)も申し込めます。では、どうやって日本語サービスを知るのかというと、日本語の電話帳が米国にはありますので、これを入手するか、WWWなどから探すしかありません。ここでも我々は、SSINNのおかげで、日本語の電話帳を入手しました。

開設のためには、長距離電話の条件やこまかいことまで聞かれるので、英語でやるとめんどくさいはずです。


■銀行口座の開設

じゃあ、SSNがないのに、銀行の開設はどうするかというと、(1)SSNが発行されるまで待つか、(2)SSNがなくても作ってくれる銀行を探すしかありません。(1)は仮に発行が数ヶ月もかかってしまうと干上がってしまうため、(2)で行くしかないです。

ここで、SSINNの情報が役に立ちました。Union Bank Of Califorina(UBOC)のバークレー支店では、UCBの訪問科学者はSSNが無くても銀行の開設をしてくれます。ただ、口座開設担当者が知らないことがあり、SSNが必要だからだめ、といわれることがあります。そんなときは、「絶対できるはずだから、マネージャーを呼んで確認しろ!」と言う必要があります。UBOC以外で、SSNなしで開設できるかとうかは定かではありません。(が、やってみる価値はあります)

なお、米国では個人でも小切手を切って買い物や電気やガスの支払いをするため、小切手用紙を同時に購入します。小切手には、いろいろなデザインのものがあり、結構面白いです。


■電気・ガスの開設

電気・ガスの申請は、PG&Eのオフィスにいって申し込みます。これも、場所はどうにかしてしらべないといけないのですが、SSINNのおかげで、バークレーでのオフィスの場所を教えてもらっていたので、そこで行いました。

なお、SSNについて聞かれますが、申請中といっておけばなんとかなります。

■テレビの開設

我々が住んだアパートでは、ケーブルテレビの線は来ているのですが、普通のチャンネルを見るだけでも、ケーブルTV会社(Comcast)との契約が必要となりました。室内アンテナを持ち込めば無料ですが、場所によっては映像が乱れるため、ケーブルTVとの契約が基本的には必要でした。ケーブルTVの開設は電話で行い、業者が来て設定してもらう日を予約します。

我々は基本チャンネルのほかに拡張して、CNNや子供用のアニメ専用チャンネル(CartoonやDisneyやNickelodeon)が見れるようにしました。このおかげで、アメリカの子供番組の内容に詳しくなりました。


■自動車免許の取得

カリフォルニア州では、1ヶ月以上滞在するばあい、国際免許で運転はできません。また、自動車保険に加入するとき、安い駐在員用の保険を活用するために、J-1の運転者がカリフォルニア州の運転免許をもっていることが前提となります。したがって、J-2の妻だけ運転させるということは経済的によくありません。つまり、制度上や経済上、こちらの免許を取得する必要があります。

我々の場合、日本で、私と妻共に10年のペーパードライバー(週末とかにレンタカーを借りて運転も一切していない、完全なペーパードライバー)だったので、米国で免許を取得することに、当初はかなりの抵抗感がありました。しかし米国では、買い物一つでも車がないと不便なため(食材が大きいので非常に重いため)、取得することにしました。

まず、制度的な話をすると、J-1の場合はSSNが発行されるまで(約1ヶ月間)は、車の免許は取ることができません。ところがJ-2場合、最初からSSNが発給されないため、すぐに免許の試験を受けることができます。このことから、先に妻が免許を取ることになりました。

米国の自動車免許の試験は、筆記と実技の2つあります。それぞれ、2回まで落ちることができます。実技で3回落ちると、筆記からやりなおしとなります。

筆記は、米国カリフォルニア州の道路交通法について、3択で回答するものです。36問中、間違いが6問以下で合格です。日本のように、引っ掛け問題はありません。英語か日本語でうけることができます。なお、練習問題は日本語の電話帳に載っている(300問程度)ので、それをやっていきます。

ここで日本語の問題では、日本語訳が変なので、これがかえって引っ掛け問題のようになり、難しいかもしれません。また、日本語の場合は、英語の標識が読めるかどうかのテストも受けなくてはいけません。ですがこれは、とても簡単です。

妻は日本語のテストを1回で合格しました。私は英語のテストを受けたのですが、電話帳の問題の中からすべて出ていました。全問正解で1回で合格しました。おそらく日本の難解な筆記試験に合格している人は、米国での筆記でつまずくことはありません。

筆記に合格すると、恐るべきことにその場で、仮免許が発行されます。もちろん仮免許だけでは、一人で運転できません。助手席に、免許を持っている人が載っている必要があります。

ここで、ペーパードライバーであったわれわれは、練習が必要となりました。車はレンタカーが借りれるとして、どのように免許所得者を探すかが問題です。米国には、有料で練習を手伝ってくれる教官がいるので、それを活用する人もいます。我々は、SSINNのコネで、格安で日本人の永住者の方に妻が指導をうけました。約1週間程度練習したと思います。

練習が終わると、次は実技試験です。実技試験には、自分で車をDMVまで持ちこむ必要があります。自分の車を持っている人は、保険や登録をすました証明書を携帯していかないと、門前払いとなります。レンタカーの場合、レンタカーの証明書を貰って、それを持ち込まないと、門前払いとなります。なお、実技試験の予約はDMVまで電話で行います。DMVでの実技試験は込むので、早めの予約が必要です。

実技試験は、日本でもそうですが、検査官によって厳しかったり、甘かったりします。つまり、運の度合いが強いようです。聞いた話では、日本人だと1回はかならず落とす人や、いろいろ理由をつけて門前払いにするひとがいるようです。例えば、とめてはいけないところに車を止めて待っていただけで、門前払いになった人がいます。これは、DMV自身が、多くの受験者を扱えないので、そうしているという話も聞きました。

試験は、複数のコースが用意されていて、その場で決めるようです。中には、フリーウエーにのるコースもあるようです。

実技では、車に乗る前の自動車のチェックと名称の口頭確認(クラクションなど)をまずおこないます。14問中、3問まで間違いが許されます。これは、非常に簡単ですが、英語名と自分の車でのスイッチの場所等を覚えていかないと、数問は間違えます。たとえば、デフロスター(霜とり)などの英語です。

つぎに、路上の判定ですが、細かいチェック項目が多数あり、15問以下の間違いで合格となります。これは、日本の試験でもそうですが、なかなか難しいです。速度、止まる位置、などですね。

妻の場合、たしか、13問程度の間違いで、1発合格したと思います。

妻が免許を取ると、SSNを取得して筆記を受けた後、妻を助手席に乗せて、私が練習します。私は妻からいろいろ聞いていたので、かなり有利に試験をうけることができました。そのおかげで、実技も1発合格(11問間違い)できました。

我々が10年のペーパーであったことを考慮すると、日本で免許を取っている人は難なく合格すると思います。ただ、日本で運転していて、うまい人ほど、1回では通らないようです。これは、安全確認などを省略してしまうからでしょう。つまり、慎重な運転のほうが合格しやすいということです。当然、良い試験官に当たるという運もあります。


■自動車保険

レンタカーなどを借りる場合のほかに、車を購入したり、リースしたりする場合は、自動車保険に加入する必要があります。

ここで、米国での自動車保険は、日本の旅行保険で一部がカバーされているものがあり、それを活用することで安くなることがありますので、確認が必要です。

我々は、AIUの総合保険に入っていったので、それを一部活用することで、米国の自動車保険料が安くなりました。また、保険エージェントにより値段が違います。AIUで紹介されるエージェントより、地元のエージェントでするほうが安いかもしれません。サンフランシスコ周辺には、日本人の保険代理店の方がいるので、そこを使うと、安い上に、いざというとき日本語が通じるので便利だと思います。なお、この情報は、日本語の電話帳でわかります。


■スーパー、郵便局、病院の場所の確認

最寄のスーパー、郵便局、病院の場所を確認する。

我々の場合、スーパーは歩いて10分ぐらいのところにあった。病院は、AIUの保険にはいっていたため、AIUが斡旋する最寄のクリニックの住所を教えてもらった。AIUが斡旋する病院だと、現金支払い不要などメリットがある。(ただし、たいてい病院の事務員はAIUの保険制度を理解していないので、説明する必要がある。)なお、米国では病院でもクレジットカード支払い可能である。

特に病院は、最寄の場所をさがさないと、いざというときに困る。緊急時には、そこから大病院に運んでくれるので、とにかく最寄の病院を探す必要がある。なお、米国の病院の制度は、紹介により成り立っているので、誰か(家主など)に紹介してもらい、その医者にホームドクターになってもらう必要がある。保険会社(AIU)などの紹介でもいい。

多くの病院では予約が必要である。場所によっては、日本のように予約なしでも可能(Walk-in Clinic) なところもある。


■子供の幼稚園(プリスクール)

子供が2、3、4歳であれば、近くの幼稚園に入れる必要があるかもしれません。幼稚園は、年齢とトイレトレーニングの必要性などで、入園条件が決まっています。

米国の幼稚園の種類は大別して、2種類あります。一つは、コーポレーティブ型で、親が先生の補助をする日があり、それをすると料金が安くなるというシステムです。親を踏まえたミーティングに月1度参加しなくてはならないなど、おおくの事に積極的に参加したい方針の方に向いています。あとは、日本とおなじ、あずけるだけのものです。

我々は、コーポレーティブ型2つと、近くに日本語を教えるバイリンガル幼稚園(シカモア幼稚園)、および普通の幼稚園があったので、そこを見に行きました。シカモア幼稚園はよかったのですが、待っている人が多数で帰えるころにならないと入れないので、あきらめました。今思うと、この幼稚園は、夫が米国人、妻が日本人で日本語を子供に教えたい人が入れるところなので、我々のような短期居住者には、普通の幼稚園で日本人がいないようなところがいいと思います。

コーポレーティブ型は日本にはない制度で、おもしろかったのですが、遠かったり、来た当初は英語での打ち合わせが不安だったりしたので、あきらめました。

結局、近くにあり、El Cerrito市がやっているプリスクールプログラムで、公民館でやっているところに、5月から帰国直前の金曜日まで入れることにしました。理由は、料金が最も安いこと、すぐに入れたこと、近いことによります。また日本人は我々以外いなかったので、当初の目的にも合致しました。

プレスクールに入るためには、こちらでの健康診断と、予防接種(Immunization)を受ける必要があります。日本では義務化のない、B型肝炎などが必要です。一般的には、これらの書類を用意した上で、$50程度のお金を出して、待ちリストに入る必要があります。

日本で受けた予防接種の英訳と医師による証明(サイン)を、日本における近くの病院で貰ってくる必要があります。また、米国で病院等で予防接種を受ける必要があります。ちなみに、普通の病院で予防接種をすると、一本$60以上するし、健康診断では$100程度かかります。予防接種は、低所得者のための保健所みたいなところですると、$10ぐらいだそうです。

我々の場合は、家庭医を決めるついでに、普通の病院(クリニック)で予防接種と健康診断を行いました。

こちらでは、予防接種は医者がうちません。看護婦の偉い人が出てきて、健康診断をして、いきなりブスリと数本うっていきます。健康診断ていどでは、医者にあうことはできませんでした。